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2023年04月27日【 違う場所に注目 】

今年の2月にハイタカから出てきた「シラミバエ」を紹介しましたが、昨日、植物公園を歩いていたら顔の周りがモゾモゾすると思ったら、何と!「シラミバエ」が服に付いていました。

種類を調べるために採集し、よく見てみると以前採集した「アオバトシラミバエ」のようでした。
でも、今回見てもらいたいのは矢印の場所!よく見ると何か付いてる?


背中から


ひっくり返してみてみると

腹から


やっぱり何か付いている!
拡大してみると虫のようです。

拡大





調べてみたところ、鳥の羽の中には「ハジラミ」という羽毛を咀嚼する昆虫がいることが分かりました。
シラミバエに付いて(噛んでる?)いたのはこの「ハジラミ」のようです。

7匹


数えたら7匹付いてます。



移動手段を持たない「ハジラミ」が移動手段を持つ「シラミバエ」に付いて、他の鳥まで運んでもらっていたようです。


残念ながら、辿り着いたのは鳥ではなく人で、しかも採集されてしまったという落ちでした。



私たちの知らないところでいろいろな生きものが生きているんですね。






参考資料
筑波大学 山岳科学センター 菅平高原実験所「菅平生き物通信:第50号(2016年9月) 」
ハジラミ ~翅がないのに大空を飛び回る昆虫~
https://www.sugadaira.tsukuba.ac.jp/ikimono/ikimono50_1609.pdf

加納六郎,2000,自然教育園におけるシラミバエについて,自然教育園報告,(31):9-11,

Mogi, M, Mano, T & Sawada, I (2002) Records of Hippoboscidae, Nycteribiidae and Streblidae (Diptera) from Japan. Medical Entomology and Zoology 53 (Suppl.2):141-165.

山内健生・島田 拓・中村 昇・鶴見みや古(2013)家屋内におけるアオバトシラミバエの採集例.都市有害生物管理 3(2): 61-63.

田村英之・加賀芳恵(2018)父島初記録となるアオバトシラミバエの採集記録.小笠原研究年報 (41): 151 - 153.

作成日:23.04.27
投稿者:takasu


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